2021.07.01
テイクアウト、デリバリー、仕出し。 食のシーンが広がるいま、 「紙袋」はブランドの想いを届ける手紙です。
今回はパックマートを運営する株式会社ベルベのセミオーダーオリジナル紙袋の制作に取り組んでいただいた料理チーム『アホウドリ』の店主・大石真理子さんへ、制作のきっかけや経緯、その効果などをお伺いしてきました。飲食店や小規模の店舗の方々も『アホウドリ』さんの事例をご参考にしてみてください。
チーム『アホウドリ』ってどんなところ?
『アホウドリ』は「はたらく人の日常を、ごはんで支える」を合言葉に、企業や撮影現場にお弁当を届けるケータリングや、食堂、小規模の社員食堂の運営を行っている料理チームです。ケータリングのお客様の多くは、雑誌やCMの撮影現場やデザイン事務所など、日常的に仕出しのお弁当を必要としている方々です。そうした感度の高いお客様に「目で見て美しく、食べてほっとする」そんな料理をお届けできるよう努力を重ねているそうです。
これまで『アホウドリ』では、商品であるお弁当の中身と容器にはこだわっていましたが、お弁当を入れる袋には全くこだわりがなく、 一番安価なタイプの無地の紙袋を使っていました。 それでも「なんの問題もなくお弁当の受注がある」そんな平穏な毎日でした。
そんな折、2020年に日本、特に飲食業界全体に深刻な事態が起きました。コロナショックです。『アホウドリ』でも、注文先の企業自体の活動が止まり、お弁当の受注がゼロの日が続くほどで、一時休業状態になります。その後少しずつ企業活動が再開していき、受注数も復活の兆しも見え始めたのですが、今度は、競合他社が一気に増えてきたのです。店内で飲食するスタイルの店舗も生き残りのため、デリバリーや仕出し弁当事業に参入。仕出しをメイン業種にしていた『アホウドリ』も、このままではいけないという危機感から、他社と差別化につながる「何か」が必要になりました。
そんな中、知り合いからの紹介で出会ったのがベルベの「セミオーダーオリジナル紙袋」。これまでは無地の紙袋にお弁当を入れてお届けしていましたが、それでは忙しく働いているお客様には何が届いたのかわかりません。お客様が最初に受け取る紙袋だからこそ、『アホウドリ』のお弁当だとわかるようにしたい! その想いが、私たちのブランディングの始まりでした。
『アホウドリ』のお弁当が届いたということに、まず気づいて欲しい! もうすぐお昼ご飯だ、とあと数十分を乗り切る力を振り絞って欲しい! 紙袋を見るたびに『アホウドリ』を思い出して貰いたい! そんな想いから『アホウドリ』のオリジナル紙袋を作ることになりました。
まず、最初に検討したのは、デザイン、紙質、などすべてを私たち(お客様)が決めるフルオーダーの紙袋制作でした。確かにフルオーダーだと理想の紙袋が出来るかもしれないのですが、正直、なにが正解か、わかりませんでした。当然、フルオーダーはすべてオリジナルなのでコストもかかってきます。
そして、コストももちろんですが、問題は制作時間がそれほど取れないことです。私たちの本業はあくまで弁当づくりと配送、お客様へのサービスです。『アホウドリ』は最少人数でのチーム編成なので、紙袋のフルオーダーの制作に人と時間を多くは割けないと思っていました。
そこでベルベのご担当の方と相談し、セミオーダーにすることにしました。セミオーダーですと、こだわりたいところはこだわれますし、紙袋として必要最低限の正解は、ベルベにお任せしてしまえば、長年の経験から満たしてくれるから安心でした。
そのため私たちは
① ベースの紙袋(サイズ等)を何にするか?
② 箔押しのデザインはどうするのか?
③ 箔の色は何色にするのか?
と、初心者でもこだわりたいデザインの部分に特化させてくれるので、気軽にオリジナル紙袋の制作に携われるのが魅力的でした。これだけでも充分にこだわったと思える満足感がありました。
紙袋のサイズについては『アホウドリ』のお弁当の大きさや、一度の注文でいくつぐらいの数を入れるかなどを、ベルベのスタッフの方からヒアリングしていただき、「それならこのサイズでしょう」と提案してもらい、助かりました。
データ作成についての注意点も事前に伝えてもらえるので、制作作業はすごくスムーズで、実質2週間くらいで済みました。
枚数も、ものによっては50枚から始めることが出来るのも助かります。初めてのことなので、やはり在庫を抱えるリスクより、まずはお試し感覚で取り組みたかったので。
小さなお店なので、在庫を保管するスペースにも心配がありましたが、「セミオーダーオリジナル紙袋」ならその点も安心です。
セミオーダーでも、やはりデザインに関しては、こだわりたいと思っていました。紙袋のイラストは漫画家の大橋裕之先生に依頼し、脱力感のあるかわいらしいイラストを描いてもらいました。『アホウドリ』のイメージを再現してもらえ、大変気に入っています。
箔押しの色決めにもこだわりました。箔押しというと金色や銀色といった高級感のある色しかないと思っていたのですが、ベルベさんからカラーリストをもらいたくさんの色から選べたのも嬉しかったです。大橋先生のシンプルな線画には、柔らかい印象のグレー! 私たちのセンスが問われる部分でした。
完成品は、活版印刷のような凹凸のある仕上がりで、この「本格感」はシールや自作では難しいプロの手腕を感じざるを得ない出来でした。
また、『アホウドリ』ではインスタグラムも積極的に活用しているので、紙袋の情報には、電話番号、メールアドレス、HPアドレスだけではなく、SNS情報も入れました。今まで最低限の情報も掲載していなかったのですが、今回の紙袋を作ることで、情報発信の重要性を自分たちで再確認できたのが良かったと思っています。
『シティライツ』、『太郎は水になりたかった』、『ゾッキ』などで知られる大橋裕之先生にオリジナルのイラストを依頼。脱力感と癒しのイラストで、『アホウドリ』のブランド力がアップしたと確信しています! ※実際にお客様からは好評です
箔押しの質感がまるで活版印刷のよう。手触りのある質感がとても気に入っています。インクがのっているのではなく、グッと押されているところに、思いがけない高級感が加わったと思います。
控えめで清楚な色合いの箔押しにしたいと考え、インクは紺とグレーで悩んだ末にグレーに決定。ベースの紙袋もクラフト系か白か最後まで悩みましたが、白とグレーにしたことで清潔感と高級感が演出できました。
最後に
既存の紙袋に箔押しすることでオリジナルの紙袋を作るベルベのセミオーダー紙袋は「フルオーダーの必要はないけれど、紙袋で他社との差別化をしたい」という私たちのニーズにはピッタリだと感じました。小ロットから制作できるので無理な在庫を抱える必要もなく、予算規模が予定より少なく済んだことも大きかったです。注文から2週間程度で仕上がったので、制作時の興奮がすぐに完成品として届くので、感動はひとしおでした。
気軽にオリジナルの紙袋が作れるこのサービスは、私たちのような小規模の飲食店の強い味方だと感じています! 私たちのブランディングへの小さな挑戦が、同じように厳しい状況下で頑張る飲食店の皆さんの参考になれば嬉しいです。
⇒『アホウドリ』さんが選んだ「セミオーダー箔押し紙袋」について詳しく知りたい方はこちら